Withコロナの時代に、自宅で楽しむ異文化体験。「世界のレシピ」をご紹介します。
筆者は渡航期間で計3年ほど、渡航国数で言えば100ヵ国以上の訪問歴があります。その際に、贅沢ではないながらも、各国のローカル料理のおいしさに感激したことが少なからずありました。異国の料理にトライするようになったのは、そのメニューがないため日本では食べられなかったことが理由。食べたい、作るしかない!というわけです。
今回紹介する「ザジキ」と、追って記事にする予定の「ギロピタ」(トルコのドネルケバブのようなものでソースにザジキを使用)。
実はこれらの料理こそ、どうにか自宅で異国の料理を作ろう、と思ったきっかけ。実際に作ってみた最初の料理でもあり、これはつまり、「とても美味しかったのに日本で食べられなくて切なかった料理NO1」ということ!
この記事ではそんな「ザジキ」の作り方と併せて、ギリシャ料理の特徴や魅力をご紹介。「ザジキ」はそうバリエーションが生じるレシピではありませんが、ご紹介のものは筆者が現地で美味しいと思ったものを参考にしています。地中海の料理は、和食と並び健康長寿にも良いとされますので、参考になさってくださいね♪
ギリシャ料理といえば?「孤独のグルメ」の有名店も
まずは地中海の恵をいっぱいに受ける、ギリシャ料理についてご紹介します!あの有名ドラマでもクローズアップされたことがありますので、興味のある方はチェックしてくださいね。
ギリシャ料理でもっとも有名「ムサカ」
ギリシャ料理で、もっとも良く知られる代表的なメニューというとまずは「ムサカ」が挙げられます。揚げナス、マッシュポテト、ラムひき肉、それをホワイトソースで層にしてオーブンで焼く、グラタンやラザニアのような料理です。こんもりチーズが乗っていることも多いですよ。
ギリシャだけではなく地中海で広く食べられる料理ですが、それぞれ地域性があって面白いです。ギリシャのものはとにかくボリュームがあり、何人かでシェアしたいメニュー。
オリーブオイルはサラダやパンにも活用!
そんなギリシャ料理、ムサカの他には本記事でおすすめする「ザジキ」や「ギロピタ」はもちろん、フェタチーズが乗った「グリークサラダ」、ギリシャの焼き鳥「スブラキ」、エビやタコ、魚を使ったシーフードメニューなども良く知られています。
また地中海の恵みそのものである、トマトやレモン、ナス、ズッキーニなどの多くの野菜、果実、ハーブ、ナッツ類もとても豊富。チーズやヨーグルトも欠かせません。加えてもっとも象徴的なのはオリーブオイルであり、どの料理にも多く使われることで知られています。パンにつけても、サラダのドレッシングとしても重宝され、オリーブの実も日常的に食されます。
魚や野菜で栄養満点!無形文化遺産の料理
実はこういったギリシャに代表される「地中海料理」は、「和食」と並び世界無形文化遺産に登録されています。特にオリーブオイルの健康効果については度々論文にされるほどで、コレステロール値や心疾患が減少することで知られています。
近年では糖尿病や老化に対しても関連性が指摘され、実際にオリーブが生活に密着する「長寿の島」の存在し、世界的に有名です。オリーブオイルだけでなく、ぜひとも「ザジキ」をはじめとしたギリシャ料理を、献立を取り入れてみたいものですね!
ワインも美味しい国ギリシャ
また重ねてワインも有名で、適量の赤ワインは健康に良いことで知られています。ギリシャは5000年前からワインとともにあった国。古代の神ディオニソス(バッカス)は、「豊穣とブドウ酒と酩酊の神」として、人気のある神でもありました。古代人も酔っぱらってたんだなぁ、と思うとちょっと親近感が湧きますね!
またこうした歴史のため、ギリシャのワインは固有種が多く、市場でも価値があります。ワイナリーも多くありますで、機会があればお試しください。
ドラマ「孤独のグルメ」でも!
そんなギリシャ料理が、あの有名ドラマ「孤独のグルメ」でも取り上げられました。筆者はこのシリーズが大好きなため、ほとんど全部見ています。ギリシャ料理で取り上げられたお店は麻布十番の「ミリュウ」さん。
現地に忠実な上、ギリシャ人にとって重要なメニューが網羅されており、本場の方がシェフだと分かります。おそらく大使館の方々も利用されるお店ではないかと思います!
そんな素晴らしいレストランですが、「ザジキ」はともかく、「ギロピタ」に関しては扱いが難しい一品かと思います。ランチでは提供されていますが、夜のメニューには取り入れにくいはずです。
なぜなら、「ギロピタ」は現地では「ファーストフード」の扱いだからです。現地ではレストランにはありません。
つまり一般にレストランに置いてないからこそ、日本ではなおのこと、食べる機会がない。だからこそ、「ザジキ」や「ギロピタ」を作ってみる、ということになりました!以下よりそんな「ザジキ」を詳しくご紹介します。
ザジキソースとは?使い方と合う料理
水切りヨーグルトが決め手のソース
「ザジキ」は、ギリシャ人にとってとても身近な料理です。ギリシャ料理の中でもっとも美味しいソース・ディップとも言える鉄板の存在で、現地の人も大好き。
「ヨーグルトを食事に使う」と聞くと、多くの日本人にとっては結構違和感があるものだと思います。ただギリシャで定番のヨーグルトは、「水切りヨーグルト」とも言われ、水分量が少ないもの。風味はチーズに近く、濃厚で、食事との相性はとても良いです。
ザジキはこのヨーグルトをベースに、濃い目に塩を振ったきゅうり、おろしたニンニクをまぜたもので、至ってシンプルなものです。
マリネした鶏肉に合う!ザジキの使い方
そんなザジキ、シンプルではありますが、爽やかな酸味、きゅうりの歯ごたえと塩気、ニンニクの風味が食欲を刺激し、お肉など油の多いメニューに本当にマッチします!すでに何度か記述した「ギロピタ」のソースとしても、ギリシャの焼き鳥「スブラキ」にもバッチリ。
ちなみに「ギロピタ」を詳しく説明すると、「ギロス」(マリネ肉)を「ピタ」(薄いパン)でくるむ、という意味のメニューになります。
ザジキはシンプルに焼いたお肉にも合いますが、ギロス風にお肉を焼く前に少しの時間でもオリーブオイル、たまねぎ、スパイスなどに漬けてみれば尚おいしくなります。鶏肉、豚肉、そしてラムにも合いますよ。
パスタやサンドイッチにも?いろいろな食べ方
ザジキは、お肉料理はもちろんのこと、水分量をより減らせば野菜のディップソースとしても合いますし、サンドイッチの中身としても相性抜群です!ツナと合わせて冷製パスタのソースとしても楽しめますし、ニラを入れても意外と合うと思います。
またもっと水分量をふやせばスープにもなります。にんにくが入っていますので、あたためることで風味が際立ちますよ。また魚のフライ、ポテト料理にも合いますので、ギリシャ料理だけと言わず幅広く楽しめるメニューです!
市販あり!コストコやカルディでも
ちなみに市販品でいうと、ザジキソースはカルディで販売されています。ただ「タパス」としてカテゴリーされているようで、これは「小皿料理」というような意味。もとはスペインの習慣で、日本でいう「お通し」のような、小さな一品のことです。食べるソース!という感じかもしれませんね。
またコストコでは「ギロピタ」が、「グリークピタサンドイッチ」という名称で販売されているようで、市販品があるとは思わなかったので驚きました。ザジキもついて、きゅうりは入っていませんが、代わりに「ディル(ハーブ)」が入っているよう。さすがコストコ幅広い。
まずは気軽にザジキを試してみたいという方にとてもおすすめですね!
ザジキの英語スペルは?意味と語源は?
ちなみにオンラインでは現地からの取り寄せや、現地のレシピも確認できます。その際英語での表示は「tzatziki」、想像しづらいスペルですね。発音は「ツァツィキ」に近いです。
尚、ザジキはもともと語源がペルシャ語という説もあり(ハーブのミックスという意味)、中東世界でも広く浸透しています。様々なバリエーションを取り入れてみたい場合は、ギリシャ以外のレシピをチェックしてみるのもおすすめです!
ギリシャ料理を気軽に献立に!ザジキの作り方
それではこれまでご紹介した、「ザジキ」の作り方をご紹介します!
一点、作る前に考えておきたいのが、ソース自体の「かたさ(やわらかさ)」です。「ギロピタ」などパンに挟んだりする場合はある程度かたい方が良く、その場合はヨーグルトを長めに水切りし、素材の水分をしぼったりする方が良いです。
単に焼いたお肉や魚のフライに乗せる、野菜のディップにする場合はそこまで気にしなくてOK。あとはお好みかと思います。筆者はかためが好きなので、そのような作り方になっていますよ。
ザジキのレシピ
ヨーグルト 500g きゅうり 1本 ニンニク 1~2カケ 塩 適宜 ※ ヨーグルトは市販品で、なんでも良いと思います。 ※ お好みできゅうりなしでディルのみという選択肢もあります。
簡単で美味しい作り方!
①市販のヨーグルトを水切りします。
コーヒーフィルターがおすすめですが、水切りネットなども利用できます。この水切りは3時間くらいからでも大丈夫ですが、かためのソースがお好みの場合は24時間ほど冷蔵庫に置いて水切りするのがおすすめ。500gのヨーグルトがだいたい半量くらいになります。
②きゅうりを用意します。
きゅうりはすりおろしでもOKですが、おすすめはダイスカットや粗いみじん切り。歯ごたえのある食感と塩味のアクセントがとても良いです。カットしたきゅうりに多めに塩を振って水分を抜き、よ~くしぼります。塩加減は強めの方があとで美味しく仕上がります。
↓24時間近く置いた水切りヨーグルトです。コロンとしていて、ヨーグルトだったなんて嘘のようですよね!
③ニンニクをおろします。
ニンニクはできればフレッシュな1カケをすりおろして使って下さい。火を通さないので、ニンニクチューブはあまりおすすめしません。ピリッと辛みを効かせたい場合は2カケでも◎
④水切りヨーグルト、きゅうり、ニンニクを混ぜます。
ザジキの出来上がりです!
お好みでオリーブオイル、ビネガー、ディル(ハーブ)、パセリ等を加えて下さい。魚フライにつける場合はビネガー、野菜ディップにはオリーブオイルが合います。
ディルはよりギリシャの味わいが深まります。ヨーグルトのほんのりチーズのような濃厚な味わいを残したい場合は、何も入れなくて良いと思います!
まとめ いろいろな使い方で食卓にギリシャの風を
いかがでしたでしょうか。
ここまで、ギリシャ料理の中の「ザジキ」をご紹介してきました。
筆者は、比較的ギリシャへ行く機会は多く、アテネだけでなくエーゲ海の島々や内陸の都市など、たくさんの街を訪ねました。西側のヨーロッパからは距離がありますので、あまり「ついで」に行ける国ではありませんが、いつか行きたいと思っている方も多いのではないでしょうか!
ギリシャはじっくり訪ねるのがおすすめの国で、グルメの他にも「神話」「歴史」「遺跡」「古代文明」「世界遺産」「哲学」「地中海」「島」「ビーチ」「ハネムーン」「リゾート」など…様々な興味に応えてくれる国です。
ザジキは、そんなギリシャの味を食卓に手軽に運んでくれます。材料こそシンプルですが、ヨーグルトをソースに使うことで一気に「異国感」が演出できるメニュー。普段の食事にプラスするだけでも、雰囲気が変わりますよ。
本当に野菜にも、お肉にも魚にも合いますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
ギリシャ旅行をお考えの方に♪
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