この記事では、ギリシャの世界遺産メテオラをご紹介します。
「天空の修道院」とも呼ばれるメテオラは、有名ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」とのモデルともささやかれるほどの、絶景を有する遺産です。
ギリシャの島々やリゾートとはまた異なる、ダイナミックな素晴しい景観が楽しめるエリアでもあり、独自の歴史を有する学びのある旅行先でもあり、ジブリの聖地巡礼先としても楽しめるスポットとして注目されています!
この記事では、ジブリとの関連だけではなく、世界遺産としての魅力や行き方などもご紹介しますのでぜひ参考にしてくださいね。
メテオラの修道院の歴史とは?場所はどこ?
メテオラの場所はギリシャ!
そんなラピュタのような迫力の絶景で知られるメテオラは、ギリシャ中央部テッサリア地方に位置します。ギリシャの首都アテネからは北西へ約270㎞の場所。
エーゲ海や島のイメージが強いギリシャですが、意外にも内陸は山が多く、地形や気候は複雑!冬季は凍結・通行止めなどに注意が必要なほどです。
「天空の修道院」の歴史
メテオラとは、こうしたギリシャの山奥にひっそりと建てられた修道院群の総称であり、エリアのこと。独特なゴツゴツした「岩の頂」に建てられた、驚愕の外観から「天空の修道院」の名がつけられています。
その歴史をたどると、9世紀以降に修道士たちがこの地を聖地・修行の場としたことが発端です。当初は世俗から隔絶されたこの地で各々生活していた修道士たちでしたが、14世紀になると共同体へと発展。修道院が建てられるようになります。
修道院はどうやって建てられた?
では岩の上に、どうやって修道院を建てたのでしょうか。とても不思議ですよね!
メテオラは実際に訪れると、まるで魔法のような姿に、本当にびっくりします。映画のような風景、それこそ本当に「天空の城ラピュタ」を思い起こさせる景色です。
ところが、どうやって建てたか、その答えはとてもシンプル。修道士たちが少しずつ少しずつ、何年もかけて資材を運び、建造したものです。これにもびっくりです!
メテオラはジブリ「天空の城ラピュタ」のモデル!?
ラピュタ公式モデルはウェールズの世界遺産
ラピュタには多くのモデル候補地が存在していますが、その多くが世界遺産にも登録される魅力的な場所ばかり!中でもイギリスのウェールズ地方は、「天空の城ラピュタ」の公式モデルとされています。
ただウェールズはラピュタの中でも主にパズーの炭鉱や、シータがムスカに捕らわれたお城のモデルになったよう。パズーの炭鉱街については以下に詳しい記事もあります。
ひとつは「ウェールズ・ブレナヴォン」、もうひとつは「カッパドキア・ウチヒサール」のラピュタモデル説を検証したものです♪
「天空の城」のモデルとは?
ではラピュタ本体のモデルはというと、ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」の中に登場する、「空飛ぶ島 ラピュータ」であると言われています。(物語としてはラピュタとは異なりますが、設定や大枠のモデルとして影響を受けているよう。)
ではその「ラピュータ国」のモデルは?
実はそれこそが、メテオラではないかというのが筆者の考えです。
つまりビジュアルだけでなく、本当にラピュタのルーツはメテオラにある可能性がありますよ!
旅人目線で追求するより詳しい筆者オリジナルの「新しいラピュタ解釈」は以下をどうぞ♪
Newtabi.net/laputa
ギリシャの一大観光地!ラピュタの風景が広がる世界遺産
メテオラは複合遺産!
そんなメテオラは、その独特な地形や歴史と景観が希少な存在であるとして1988年に世界遺産に登録されています。
世界遺産の中でも、世界的にも珍しい複合遺産に登録され、文化遺産と自然遺産両方の魅力を兼ね備えています。複合遺産は世界1,000件を超える世界遺産の中でも、わずか39件のみという大変珍しい遺産なんですよ。
世界遺産としての魅力
メテオラの修道院の最大の魅力は、やはりラピュタのような大絶景!神秘的でありダイナミックな景観で、ワクワクが止まらない景色です。
ただ、同時に聖地として厳格な歴史を有する点も大きな特色。ギリシャにはもう一ヵ所複合遺産があり、メテオラ同様聖地である「アトス山」がありますが、こちらは簡単には入域できません。女性はそもそも立ち入り禁止、男性も申請と入域許可が必要になります。
アトス山が一般的な観光客には開かれていないエリアである一方で、メテオラは誰でも訪れることができ、その修道士たちの歴史、生活を垣間見ることができますよ。
天空の修道院は今でも現役!
メテオラでは最盛期には24の修道院が稼働していました。現在でも6つの修道院が稼働し、観光客に開放されています。
岩がむき出しの外観の厳しさに反して、修道院の中は慎ましくも穏やかな空間です。小さな庭園は和やかで、岩の頂にいることを忘れてしまうほど。猫ちゃんも住み着いているようで、歩いている姿を見かけます。そんな平和な様子もまたラピュタの庭園を連想しますね。
ただ階段が多いため、一気に6つの修道院をまわるのはとても困難。制覇したい場合は2日に分けて観光するのがおすすめです!
フォトジェニックな世界遺産メテオラの観光
天空の修道院の中心的存在「メガロ・メテオロン」
・ ヴァルラーム 修道院
・ アギオス・ステファノス 修道院
・ アギア・トリアダ 修道院
・ ルサヌ 修道院
・ アギオス・ニコラオス 修道院
この6つある修道院はそれぞれに特色がありますが、もっとも代表的な建造物がメガロ・メテオロン修道院です。
メガロ・メテオロンとは、ギリシャ語で「中空の偉大なもの」という意味で、まさにメテオラが「天空の修道院」と呼ばれるきかっけとなった建造物。メテオラ全体の中心的存在です。
一見、堅牢な城塞のような雰囲気もあり、階段も多いためにアクセスは少々大変ですが、必ず訪れたい修道院です。
体力と時間を調整ながら観光を
その他、メガロ・メテオロンに隣接するヴァルラームもまたフレスコの美しい修道院。
一方アギオス・ステファノスは階段がなくアクセス可能なため、気軽に訪れることができる修道院です。これに隣接するアギア・トリアダは階段が急でハードですが、景色はメテオラらしい絶景として知られています。
またアギオス・ステファノスとルサヌは女性の修道士たちが生活していますので、どこか細やかで可愛らしい印象の修道院。
アギオス・ニコラオスとルサヌは規模が小さいため、時間や体力的に難しいという場合は、外観のみにとどめ、余力があれば観光するという調整もおすすめです!
修道院での観光マナー
観光地である反面、歴史的聖地であるメテオラでは一定のマナーを守った見学が求められます。
建物や庭園の植物を傷つけないこと、はしゃぎすぎないこと、むやみに長居をしないということなど、他者への気遣いを大切にすべき場所です。修道士の写真を撮ることも禁じられています。
また性別を問わず、できるだけ肌の露出は控えましょう。女性は足の形が分かるパンツ(ズボン)も禁止ですので注意。丈の長いスカートを着用が理想的です。
ラピュタを連想する絶景ポイント
またメテオラにはいくつものビューポイントがあります。代表的なポイントは「Main Observation Deck of Meteora」もしくは単に「View Point」と認知され、素晴しいフォトジェニックサイト。また各修道院の付近でも絶景を見ることができます。
メテオラは日中の風景はもちろんのこと、夕焼けも素敵です!サンセットツアーが催行されていますので、ホテル等から申し込み可能。ラピュタのような絶景を心ゆくまで楽しめます。
メテオラ観光で英語は通じる?
ちなみに公用語はギリシャ語です。ただ観光大国ギリシャでは、英語を話す人が多く、ホテルやレストラン、観光業に従事するギリシャ人にはほとんど英語が通じます。
タクシーなどドライバー業の人は、あまり通じないケースも。人によりばらつきが大きいため、行き先などはしっかりとした確認が必要です。
また修道士の方の中にも、英語を話す人がいるようです。ただ原則、修道士には各々の活動がありますので、話しかけることは遠慮させていただく方が良いでしょう。
ギリシャへ!天空の修道院への行き方
日本からのギリシャへの行き方
最後にそんなメテオラへの行き方をご紹介。まずは日本からギリシャへの航空会社を選択しなければなりません。最も早いアクセスは「ターキッシュエアラインズ」を利用する方法。トルコ・イスタンブールからアテネまで1日2~3便ありますので、スケジュールもスムーズなことが多いです。
よりお得な行き方には中東経由がおすすめ。エティハド航空のアブダビ、エミレーツ航空のドバイ、カタール航空のドーハなどで乗り継げます。ただ時間はかかりますので、日程に余裕がある場合の選択と言えます。
アテネの乗り継ぎとカランバカ
アテネ到着後は、基点の町カランバカまではバスか鉄道を利用します。鉄道の場合はアテネからカランバカ駅まで直行の便がありますので、そちらがおすすめです。ギリシャの鉄道は遅延も多く、トラブルを防ぐためにも乗り継ぎはやめた方が無難です。
アテネからはメテオラへのツアーもあり、英語ガイドと混載バスで訪れることも可能です。日帰りと、1泊2日のツアーが主に催行されていますが、日帰りは滞在時間が非常に短くおすすめしません。
メテオラには宿泊施設などはないため、多くの観光客がカランバカの町に滞在します。カランバカは、ローカルな雰囲気ですが、とっても過ごしやすい町。せっかく山のギリシャに訪れるのであれば、滞在はおすすめですよ♪
カランバカ発の観光ならタクシーもおすすめ
カランバカからメテオラへはバスが運行していますので、実は個人での観光も可能です!また頑張れば徒歩でのアクセスも可能なんですよ。ただバスの運行は夏季のみ、本数は1日3本のみとなるため、スケジュールには注意が必要。
カランバカ発着の終日英語ツアーも参加可能ですが、朝からの出発となるため、カランバカに到着した当日は参加できない点に注意が必要です。鉄道で訪れた場合、カランバカにはお昼に着きます。時間を無駄にしたくない場合は、午後からタクシーで観光する方法もおすすめ。
おまけ メテオラはラピュタ以外にも映画・ドラマのモデルに
007でも!ラピュタ以外にも舞台・モデルに
ラピュタにおいては「モデル候補地」ですが、実はメテオラはその絶景によって世界的に知られる有名映画の舞台やモデルにもなっています!
「007」ではジェームス・ボンドがこの絶景の岩から落とされるようなカットがあり、とても迫力があります。また世界中で熱狂の渦を巻き起こした「ゲーム・オブ・スローンズ」の幻想的なシーンでもモデル地として利用されています。
「LINKIN PARK」のモンスターアルバムも!
またご存知の方も多いかもしれません、有名バンドLINKIN PARKのアルバム「メテオラ」。筆者も全曲覚えていますし、「Breaking The Habit」はカラオケで歌うほど!
このアルバム名もまた、このギリシャ・メテオラをゆかりとしています。バンドメンバーが世界遺産であるこの地の風景に感銘を受けたことで、名付けられたもの。音楽ジャンルの垣根を超え、ロックでありながらどこか神秘的な曲調は、世代を超えて愛されています!
まとめ 自然好きにもラピュタ好きにも
メテオラでラピュタの風景に出会う
メテオラでは、日常では決して見ることのできない景色が広がり、その姿はラピュタの風景を連想します。「天空の城」の概念・ビジュアルが、ふと現実味を帯び、現実とアニメの境にあるような、まるでファンタジーのような世界を感じることができます。
ラピュタファンの人はもちろん、そうでない人も、きっと感動の旅になると思いますよ!
世界遺産メテオラ観光は新しい時代におすすめ
メテオラはもちろんのこと、ギリシャは世界遺産として魅力も多く、自然に囲まれた観光地は新しい旅の形にもマッチしています。都市を離れた山や海、島の観光は、感染症のリスクも少なく、開放的で健康的!
都市のようなせわしなさもなく、心配事の少ない旅行は、年齢を問わずおすすめです。
新しい時代の旅行計画に、宜しければ以下参考にどうぞ♪
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