この記事では、トルコ中央部に位置する「ウチヒサール」と「鳩の谷(ピジョンバレー)」の観光・ホテル情報や行き方をご紹介します。
またこの2つのエリアは、某有名ジブリアニメとの関連も?
トルコ内陸のダイナミックな素晴しい景観が楽しめるエリアでもあり、また世界遺産として学びのある旅行先でもあり、ジブリの聖地巡礼先としても楽しめるかもしれません。
この記事では「ウチヒサール」と「鳩の谷」の魅力について、様々な視点で触れつつご紹介いたしますので、ぜひ身近に感じて頂ければと思います!
ウチヒサール城と鳩の谷、その歴史とは?場所はどこ?
国はトルコ!カッパドキアにある
ウチヒサール(ウチヒサル)と鳩の谷は、国はトルコに位置します。エリアでいうとカッパドキアにあり、印象的な奇岩の風景が広がることで世界的に知られています。日本人にとっても人気の観光地・旅行先です。
カッパドキアとは街の名前ではなくエリアを指しますが、非常に広域です。ウチヒサールと鳩の谷は、そのカッパドキアの中央部あたりに位置しています。
ウチヒサール城の歴史
正確な文献としては残っていませんが、ウチヒサールの城塞は紀元前の古代ヒッタイト文明の時代に起源をもつとされています。カッパドキア全体の歴史とも共有していますが、アレキサンダー大王の時代には、「カッパドキア王国」として350年ほど存続した歴史もあります。
その後ローマ化し(カイセリの語源は「カエサルの都」です)、4世紀以降キリスト教徒が住むようになりました。ウチヒサールもまた7世紀頃には住宅地や回廊として機能した形跡が残ります。
鳩の谷(ピジョンバレー)はウチヒサール圏内
また、鳩の谷は、ウチヒサールのエリア内にあります。「妖精の煙突」と呼ばれる柔らかい火山岩の塔に、岩を掘って作られた鳩小屋が無数に存在しており、これにちなんで鳩の谷=ピジョンバレーと名付けられました。
実はカッパドキアは観光スポットしてだけではなく、ワインの名産地としても知られています。鳩はブドウの生産に大いに関わっており、その糞は土壌を肥やし、ワインを作るのに最適なブドウを作る、ということが昔から信じられていました。この結果現在も素晴らしいワインが生産されています。
またフレスコ画をより鮮やかにするための材料としても使用されており、教会で実物を見ることもできます。
鳩の谷の存在は、カッパドキアの荒涼とした土地での生きる知恵でもあり、歴史と文化そのものでもありますね!
ウチヒサールと鳩の谷はラピュタの舞台!?
ラピュタ・パズーの炭鉱街を連想?
そんなウチヒサールと鳩の谷ですが、実はジブリの超有名アニメ「天空の城ラピュタ」との関連があるかもしれません。
ラピュタの中心キャラクター、パズーは炭鉱で働いていますが、この炭鉱のモデルはイギリスの「ウェールズ」であるという説が濃厚と言われています。ただウェールズの景観はとても穏やかな緑の丘陵地帯であって、パズーの住むようなゴツゴツした岩の景観はありません。
実はカッパドキア・ウチヒサールの風景は、そんなパズーの炭鉱街の景観にとてもマッチします。
「もうひとつの炭鉱街」のモデルとして、洞窟の家々や、岩に建物がへばりついているような様子に注目してみてくださいね!
↑上部分は岩に直接窓や階段が掘られ、下部分には家屋が見えます。似ていませんか!?
以下の記事でも取り上げていますので気になる方はご覧になってみてください。
鳩の谷(ピジョンバレー)はラピュタの世界?
また特に象徴的とも言えるのが「鳩の谷」です。鳩というと、ダイレクトに、パズーのラッパのシーンを連想しませんか?軽快なラッパの音と、谷の光と影の中を飛ぶ鳩。ラピュタ全体のなかでも非常に印象に残るシーンです。
ウチヒサールの「鳩の谷」で、谷間に無数の鳩が舞う様子は、本当にラピュタのあのシーンを連想してしまいますよ!実際に訪れた事がある人は同じように感じた、という人も少なくないのではないでしょうか。
ラピュタのモデルは世界遺産が多数
ちなみにパズーの炭鉱街だけでなくラピュタには多くのモデル地が存在します。そしてそのほとんどが世界遺産にも登録され、観光地としても魅力的な場所ばかり。
ピュタの本当の場所・炭鉱街のモデルなどを、旅人目線で追求する筆者オリジナルの「新しいラピュタ解釈」は以下をどうぞ♪逆に、なぜあのシーンで「鳩を飛ばした」のでしょうか。そんな視点にも触れて書いています。
トルコ一大観光地!世界遺産「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」
カッパドキアは複合遺産!
ウチヒサールと鳩の谷は、世界遺産「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」の構成資産に含まれています。
同時にこの遺産は、世界的にも珍しい複合遺産に登録され、文化遺産と自然遺産両方の魅力を兼ね備えています。複合遺産は世界1,000件を超える世界遺産の中でも、わずか39件のみという大変珍しい遺産ですよ。
世界遺産としての魅力と歴史
カッパドキアの独特な地形は、もともと「ハサン山」「エルジェス山」などの、何百万年も前の火山活動で放出された灰(凝灰岩)と、その上の溶岩からなる岩(玄武岩)の層からなっています。
きのこの形の岩々は、長い歴史の中でこのうちの柔らかい下層部分が浸食され、固い上層部分が残ったために出来上がったもの。ちなみに日本では「きのこ」ですが、西欧では主に「妖精の煙突」と呼びますから、かわいいですね!前記の通り鳩の谷でもよく見られます。
この土地に4世紀以降になってキリスト教徒が住み、他者からの攻撃を避けるために洞窟を住居としました。時代を追うごとに柔らかい岩を掘り進め、一大地下都市を形成。
世界遺産としての中心は、名称にもある通りギョレメです。ギョレメにはこの時代の素晴らしい岩窟教会が多く残っています。教会の壁画は美しく、1000年以上経って尚、その姿をよくとどめています。
英語は通じる?ウチヒサール城と鳩の谷の観光情報
ウチヒサール城と気球の景色!
そんなカッパドキアの、ウチヒサール観光の見どころはなんと言ってもその砦(城塞)。上まで登ることができますので、最上階ではカッパドキアの素晴らしい眺望が眼下に広がりますよ!
途中でチケットブースがあり、入場は50トルコリラ。朝5時から夜9時まで開いていますので、日の出から夜景までの景色を満喫できます(変更の場合あり)。
またウチヒサールでは早朝に、空に気球が舞うシーンを見られるかもしれません。ホテルにはだいたいテラスがあり、ホテルから絶景を楽しめますので、ぜひ早起きを!
鳩の谷とナザールボンジュウの木
鳩の谷の観光については、高台のビューポイントから全景を見学するという方法が主流です。見晴らし台には小さなお土産屋やカフェがあり、ナザールボンジュウ(トルコのおまもりの目玉)がたくさんかけられた木が立っています。
時折集団で飛び立つ鳩の影と、谷の風景、青いナザールボンジュウの色彩が、フォトジェニックなビューポイントです。
またウチヒサールから鳩の谷を通り抜け、ギョレメまでトレッキングをすることも可能。道中ではウチヒサールの全貌を遠景から楽しめますよ。迫力の風景は感動ものです!
カッパドキア観光で英語や日本語は通じる?
ちなみに公用語はトルコ語です。ただ観光大国トルコでは、英語の話者は多いです。ウチヒサールや鳩の谷でもホテルやレストラン、観光業に従事するトルコ人にはほとんど英語が通じます。
またトルコはヨーロッパ諸国に比べると、日本語を話すガイドも多いです。より安心して観光したいという場合には、ガイドを手配するのもおすすめです。
実は洞窟ホテルが超有名!レストラン情報も
ウチヒサールは高級ホテルエリア!
ウチヒサールは、実はカッパドキアの中でも高級なホテルの多いエリアです。素晴らしい「洞窟ホテル」が点在し、なんと言っても景色は最高、伝統的な雰囲気も抜群です。
もしカッパドキアでワンランク上の滞在をしたい、ロマンティックな経験をしたい、という場合にはウチヒサール泊が断然おすすめ!
それだけでカッパドキア観光の満足度は格段にアップするでしょう。しつこいようですが、景色が本当に良いんです!
比較的リーズナブルに「ウチヒサール カヤ ホテル」
ウチヒサール カヤ ホテルは、ウチヒサールに位置し、設備が整ったホテルでありながら、比較的リーズナブルに宿泊可能。眺望の素晴らしさも感動的で、楽しさと安心を同時に叶えてくれるホテルです。ただしこのエリアでは大型のホテルですので、比較的団体観光客が多いでしょう。
アートな洞窟ホテル「ミュージアム ホテル」
人気観光地のカッパドキアの中で、ウチヒサール滞在の特別感を底上げするホテル。デザイン性が高く、とてもロマンティック。リッチな滞在を演出するホテルです。西欧人が多く、日本人はほとんど泊まりません。
最高の体験には「アルゴス イン」
ウチヒサールではもちろんカッパドキア全体で最も伝統があるホテルのひとつであり、最高級。まるでホテル自体が世界遺産の観光スポット、フォトジェニックポイントとも言えます。
内装の細かな部分までハイセンスにまとめあげられ、落ち着いた趣と景色の素晴らしいホテルです。ホテル内に洞窟のワインセラーがあります。特別な滞在に、土地のワインもどうぞ。
ウチヒサールにレストランは少ない
ただしウチヒサールでは、あまりレストランは多くありません。実は、夕食は宿泊ホテルでとる方が少なからずおり、ホテルにレストランが併設されているパターンが多いためです。上記の「アルゴスイン」のレストランも、人気がありますよ。
このため個別のレストランはそう多くなく、ウチヒサールの夜は賑やかというよりは、静かな大人向けの滞在となるでしょう。
レストランを挙げるとすれば、エリアの北側に「Cappadocia Steak House」「Şıra Restaurant」、南側に「Local Cuisine Cappadocia」などがあり、景色も良くおすすめです。その他カフェがいくつかあります。
トルコ・世界遺産カッパドキアへの行き方
日本からのトルコへの行き方
最後にそんなカッパドキア・ウチヒサールへの行き方をご紹介。まずは日本からトルコへの航空会社を選択しなければなりません。もちろん最も早いアクセスは、東京からイスタンブールまでの直行便「ターキッシュエアラインズ」を利用する方法です。カッパドキアまでは国内線へ乗り継いで所要約16~17時間。
ただ、よりお得な行き方が良いという場合には中東乗り継ぎがおすすめです。エティハド航空のアブダビ、エミレーツ航空のドバイ、カタール航空のドーハなどで乗り継げます。ただ時間はかかりますので、日程に余裕がある場合の選択と言えます。
トルコの空港と乗り継ぎ事情
東京に成田と羽田がありますように、イスタンブールにも空港が2つあります。ターキッシュエアラインズの場合は「イスタンブール国際空港」に着きますが、中東乗り継ぎの場合は「イスタンブール国際空港」「サビハギョクチェン空港」と2つの空港に就航があります。もしどちらかの路線が混んでいても、もう一方で行けばお得に!なんてことも。
また実はカッパドキアにも空港が2つ。最寄りという意味では「ネヴシェヒル空港」が一番近く、カッパドキアエリア内になります。ただこちらは小さな空港で、就航も1日2便程度。国際線から乗り継ぐ場合はスケジュールに合わないことも。
一方「カイセリ空港」は就航も多くもっと大きな空港です。カッパドキアから車で1時間ですので、不便はありません。両方使えますね。
カッパドキア・ウチヒサールへの行き方
カッパドキアは、観光スポットが散らばっており公共機関を使って個人でまわるには大変なエリアです。空港からウチヒサールへの行き方としてもシャトルバスのサービスがおすすめです。事前にネット予約すれば、到着便に合わせて待っていてくれますよ。
頑張って公共機関でウチヒサールへアクセスする場合、カイセリ空港からまずは乗合のバンに乗ってバスターミナルを目指します。バスターミナルからカッパドキア内のユルギュップまたはアヴァノスへ向かい、乗り継いでギョレメへ。ギョレメからウチヒサールまではさらにバス、または徒歩1時間です。大変ですよね!
空港への到着時間が夕方以降~夜間といった場合、また荷物や貴重品の心配などもしたくないという場合には、ウチヒサールまで直行できるシャトルバスは安全面でもおすすめです。もちろん時間をかけずに移動できる点も大きなメリットです。
カッパドキア内の観光は自力では困難
世界遺産カッパドキアは、全体を自力で観光するには難しいエリアです。時間に余裕があればそれも楽しい旅行ですが、どこへ行くにも毎度バスを待って、乗り継いで、時には歩いて観光…となれば大変ロスが多くなります。
タクシーや専用車であれば1日で観光できる範囲を、何日もかけなければいけなくなるというのは、あまり得策とは言いづらいです。公共機関を利用する場合も「このエリアの観光はバス」「このエリアの観光はタクシー」などと、メリハリをつけるのがおすすめです。
そうでなければ、日本からのツアーで行く、現地発の終日観光ツアー、日本語ガイドを雇うなど、カッパドキア観光をまるっとお任せする方法が、安心でおすすめです。
おまけ 御城プロジェクト「ウチヒサール城」
余談ですが、「御城プロジェクト」なる「城郭擬人化タワーディフェンスRPG」ゲームに、ウチヒサール(ウチヒサル城)が含まれていて、そのキャラクターデザインが最高でした。さすがDMM。
鳩の谷の「ナザールボンジュウの木」の杖を抱え、奇岩を背負って、肩には鳩まで!ここまででもおかしかったんですが、「特技」が妖精の煙突、「計略」がカッパドキア・バルーン!大うけです。カッパドキア・ウチヒサールの観光スポットを詰め込んだようなキャラデザに、イラストレーターの情熱を感じました。
筆者はお城に詳しいわけではないですが、好きなところもあって、お城たちのビジュアルはとても楽しめました。個人的に滝山城がいて嬉しかったです。彦根城とシェーンブルン宮殿がかわいい。世界遺産に登録されているお城も多く、旅行好きにも楽しめるゲームかと思います♪
まとめ 自然好きにもラピュタ好きにも
ウチヒサールでラピュタの風景に出会う
ウチヒサールや鳩の谷には、日常では決して見ることのできない景色が広がり、その姿はラピュタの風景を連想します。パズーの炭鉱やラッパのシーンがふと現実味を帯び、現実とアニメの境にあるような、まるでファンタジーのような世界を感じることができます。
ウチヒサール城の「天然の砦」は、カッパドキアの中でも独特で迫力のあるものです。ラピュタファンの人はもちろん、そうでない人も、きっと感動の旅になると思いますよ!
カッパドキア観光は新しい時代におすすめ
ウチヒサールはもちろんのこと、カッパドキアは世界遺産として魅力が多く、特に自然遺産としての側面は新しい旅の形にもマッチしています。野外の観光は、感染症のリスクも少なく、開放的で健康的。
都市のようなせわしなさもなく、心配事の少ない旅行は、年齢を問わずおすすめですよ!
新しい時代の旅行計画に、宜しければ以下参考にどうぞ♪
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