Withコロナの時代に、自宅で楽しむ異文化体験。「世界のレシピ」をご紹介します。
今回はタイ、「カオマンガイ」。
筆者は渡航期間で計3年ほど、渡航国数で言えば100ヵ国以上の訪問歴があります。その際に、贅沢ではないながらも、各国のローカル料理のおいしさに感激したことが少なからずありました。苦手だった料理に自らトライしたのは、(そのメニューがないため)日本では食べられなかったことが理由。食べたい、作るしかない!というシンプルさで始めてみたのがきっかけです。
尚、筆者の旅中の座右の銘は、「鶏肉は裏切らない」でした。食に困った時、体調がすぐれない時、鶏肉のブレないうまさは本当に安心感がありました。多少スパイス漬けでも風味にクセがあっても、世界中どこでも出てくる「慣れた味」。「カオマンガイ」はまさにその代表格で、おいしさにホッとしたものです。
この記事ではそんな「カオマンガイ」の作り方と併せて、人気のタイ料理やその特徴までご紹介します。昨今はタイ料理のお店も多く、本格的な料理も簡単に食べられますが、家庭でお得に作ることができれば幸せですよね!宜しければ末尾のレシピも参考にしてください♪
タイ本場の人気料理ベスト5!
「カオマンガイ」は東南アジア、タイの料理。トウガラシやココナッツ、スパイスを使用し、甘み、酸味、辛みの風味が特徴的なエスニックな料理です。まずはそんなタイ料理の人気メニューを簡単にご紹介しますね。
人気のスープ「トムヤムクン」:
多くの人にとってタイ料理で最初に思い浮かぶメニューがトムヤムクンではないでしょうか。エビを入れた辛く酸っぱいスープはクセになる風味で日本でも絶大な人気があります。
栄養満点「タイカレー」:
日本でタイカレーと称されているスープは現地では「ゲーン」と呼ばれ、ココナッツミルクの風味が特徴的。ゲーンには色々と種類があり、「ゲーンキャオワーン」はグリーンカレー、「ゲーンペット」はレッドカレーを指します。「マッサンマン」も人気がありますね。
本場でも愛される「タイスキ」:
大人数で食す鉄板料理。タイのスキヤキ、お鍋です。出汁で色々な食材を煮てつけだれで楽しむ、日本人にも身近な料理。お店もたくさんあり各々オリジナリティがあって楽しいです。
ナッツが決め手「パッタイ」:
タイ風やきそばとして知られるパッタイ。ライスヌードルに卵、エビ、もやし、にら、ピーナッツ、タマリンドがミックスされ、ナンプラーの風味とあわさって、タイの魅力がつまったようなお料理です。
子供にも人気!「カオマンガイ」:
そして、ここでご紹介のメニュー、ゴハンもの。本場では鶏をまるごと茹で、そのうまみたっぷりのスープでご飯を炊きます。ご飯の上に鶏肉をバーンと乗せる、シンプルながら最強の一品。
タイ料理レシピの特徴は?
本格タレ!ナンプラーとしょっつる
そんなタイ料理の魅力のひとつがナンプラー(魚醤)です。タイ料理では日本の醬油と同じように高頻度で使用され、タイ料理の基盤といった存在。ちょっとした臭みがあるので、苦手な人は苦手ですが、風味付けとして使うとうまみがアップしますよ。
ちなみに醤油や魚醤の「醤」というのは、「塩漬け」を意味します。日本の醤油は、大豆や小麦を塩漬けにしたものになるため、穀物=「穀醤」となります。一方で魚を用いたものを「魚醤」と呼び、実は日本でも食されています。これが秋田県の「しょっつる」として有名で、ナンプラーよりもしょっつるの方がよりしょっぱいということですよ。
魚を使うことによって、多少の臭み・クセがありますが、うまみは深いのが特徴です。ですのでこのナンプラーをカオマンガイのタレに入れると、ぐっと風味が増し、奥行きが出ます!より本格派におすすめです。
日本で楽しむタイ料理「カオマンガイ バザール」
そんなタイ料理を日本で食すなら、人気店は御徒町の「はすの里」。タイ料理によくある屋台のような感じではなく、こぢんまりながら清潔な店内で、コロナの時代には安心です。上記ベスト5に挙げたような鉄板メニューから、人気料理をバランス良く、また手ごろな価格で取り揃えています。
そのほか品数重視なら新宿「バンタイ」、カレーメインなら信濃町「メーヤウ」。また三鷹「カオマンガイ・バザール」は、タイ料理の食べ放題のブッフェがあり、いろいろな料理を食べ比べてみたいという時におすすめですよ!
現地のカオマンガイは超お得!
とはいえ、長く海外にいた人(貧乏バックパッカー)が陥る「換算グセ」が何年経ってもなくならない筆者。ついつい現地の物価を思い出して、日本プライスを高く感じてしまう病にかかっています。
そう…。カオマンガイは、現地価格なら150~300円!でも日本のレストランでは1000円近くかかる場合がほとんど。家賃・材料費・人件費が異なることはもちろん分かっていますが、なんとなく足が遠のいてしまうというわけ。その結果、もっと身近に!自ら作ろう!という追い風になりました。
カオマンガイとは?
カオマンガイの意味は?どんな料理?
上記でもご紹介の通り、鶏肉を丸々使用した料理。カオ=ごはん、マン=油、ガイ=鶏肉を意味し、タイ料理の中でも万人受けするメニューです。現地ではもちろん、日本人にとっても口に合うもので、シンプルながらうまみの効いたおすすめの一品。
尚、カオマンガイのルーツは中国にあるとも言われ、マレーシア、シンガポール、ベトナムにも類似のメニューがあります。東南アジア全体での鉄板レシピであるとも言え、一方で地域ごとの特色が面白くまた美味しいです。
味噌でもポン酢でも!タレ(ソース)は自由
カオマンガイの「キモ」であり「醍醐味」が、タレ!現地でもお店ごとに味を競っており、様々な楽しみ方があります。現地ではこのつけダレを「ナムチム」と呼び、タイ味噌「タオチオ」、タイ醤油、トウガラシ、ショウガ、ニンニク、砂糖、鶏スープからなるのが基本のスタイル。
ただ家庭で作るのであれば、たとえばスイートチリソースやナンプラーを使ったレシピ、また赤味噌、食べるラー油、ポン酢を使うという選択肢もありますよ!
市販のタレなら献立にも含めやすい
ちなみにお手頃な価格で日本のスーパーにアジア・エスニック料理を運んでくれる一大メーカー「YOUKIユウキ」さん。このユウキ食品株式会社より、「カオマンガイのたれ」も出ていますので、シンプルにこちらを使う方法もあります。これをベースにカスタマイズするのもグッド◎
子供にも人気のおすすめレシピ!
実際、我が家ではカオマンガイを月イチくらい、なかなかの高頻度で作っています。その理由は、老若男女、誰でも大好きだからです!炊飯器で炊き込みご飯のように作りますが、胸肉を使用した場合でも、お肉は本当に柔らかくなります。
歯が良くない方や、子供にもとてもおすすめ。両親にふるまったところとても喜ばれましたし、工夫をすればカミカミ期以降の赤ちゃんでも取り分けできます。家族を笑顔にしてくれるレシピですよ。
以下ではそんなタイの鉄板料理、「カオマンガイ」の作り方をご紹介します!
タイ料理を気軽に献立に!カオマンガイの作り方
炊飯器で作るカオマンガイのレシピ
ちなみに、筆者はいつもこちらのレシピをベースにしています。
いくつかのレシピにトライしましたが、こちらは本当においしいです。身近な調味料だけで、こんなに色々混ぜ合わせて、美味しいものを考案できるのは才能だと思います!
ただ、「本格的」とはちょっと違います。さらにひと手間加えるとすれば、ごはんはジャスミンライス、タレにはナンプラーを加え、パクチーときゅうりを添えるとより良いです。
お好みでタレにニンニクを入れるのもグッド!とても料理上手と言えない筆者ですが、ひとつ個人的なこだわりがあり、それはニンニクチューブを使わないこと。どの料理でもすりおろしたニンニクを使っています。風味が全然ちがいますよ。
材料(カロリーオフなら胸肉がおすすめ)
■炊き込み用レシピ■ お米 2合 鶏肉 1~2枚 鶏がらスープの素(顆粒) 小さじ1 おろしにんにく 小さじ1/2 おろししょうが 小さじ1 塩、こしょう 少々 長ネギの青い部分 1本分
■タレ用レシピ■ 長ねぎ(みじん切り) 10cm分 しょうが 小さじ1/2 醤油 小さじ2 オイスターソース 小さじ2 砂糖 小さじ1 味噌 小さじ1 レモン汁 小さじ1 水 大さじ1 ごま油 小さじ1/2 + ナンプラー 小さじ1 にんにく 小さじ1/2~1
ベチャベチャにならないカオマンガイの作り方!
お米と調味料
まずはお米を研いで、一旦水を切ります。そこへ■炊き込み用レシピ■の調味料を入れ、水を入れ、まぜます。材料から水分が多く出ると、お米がベチャベチャになってしまうため、この時の水は規定量より少なめに入れます。
お肉の準備
その上にネギと鶏肉を入れます。鶏肉を2枚入れる場合はお肉が重ならないよう注意。お肉は入れる前にフォークで穴をあけておくとより柔らかくなります。胸肉には特に効果的。またもも肉ならあらかじめ皮を取っておくと、べちゃっとなるのを防ぎやすくなります。
タレ(ソース)の準備
炊飯している間に■タレ用レシピ■の調味料をまぜておきます。より現地風にする場合は、ナンプラーを追加してくださいね。またお好みで、お酢やニンニクの追加もおすすめ。出来上がったらお肉をカットします。
盛り付け
お米を盛ってお肉を乗せて、できあがり!
まとめ … 本格的な付け合わせも♪カロリーオフも♪
いかがでしたでしょうか。
ここまで、タイ料理の中の「カオマンガイ」をご紹介してきました。
カオマンガイは、出来上がった料理を盛り付けたあと、お皿のわきに「おっきな輪切りきゅうり」と「パクチー」が添えてあると、より「タイだな…現地風だな…」となります!現地では必ずといって良いほど付け合わせになっていますのでお試しください。きゅうりはまわりがギザギザにカットされていて、花のようになったおしゃれ仕様のお店も。
また予め鶏肉の皮を取っておけば、べちゃっとなるのを防げるばかりか、カロリーも大幅カットに。さらにもも肉でなく、胸肉を使えばよりヘルシーに仕上がります。お肉に合わせてタレを変えるというのもおすすめです。
旅をしていて、東南アジアがダメだった、苦手だったという人にはあまり出会ったことがありません。ひと昔前は「貧しい…」「治安があまり…」というイメージが先行していましたが、今は違います。特にバンコクは大都会と言っても過言ではないほどです。
国柄は基本的に穏やかで、特にタイは仏教国です。遺跡もあれば海もあり、自然もあればメコン川もあります。見どころや観光スポットも多くはじめて行く海外旅行にもおすすめですよ。特に「一人旅」のスタート地点としてタイを選ぶ人も多かったです。
筆者はタイに滞在していた折、若干顔が濃いのか、どこへ行ってもタイ語で話しかけられ、ちょっとイイ服を着ても「おしゃれなタイ人」と認識されました。最初こそ当惑しましたが、このことはとても面白く、タイ人の明るさを感じましたし、タイには今でもどことなく親しみを感じています。
日本人の口に合う料理も多いので、気軽に毎日の献立に取り入れることができます。タイの風を、ぜひ食卓に運んでみて下さい♪
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